赤い衝撃
麻耶と梨恵は、母親が姉妹で同い年。
家が近所で、お互いの家に泊まったりして
二人も姉妹みたいに育った。
梨恵の母親が美容院を経営しているので
憧れて美容学校へ通いながら
店の手伝いをしていた。
だけど、麻耶は手荒れが酷く
挫折してしまった。
フリーターをしながら
やりたい事を探していた7年前の冬。
立川先輩は、5歳年上で
イベントの飾り付けをする会社の主任。
麻耶とコンビを組むと、とにかくよく怒る。
ヒステリックの一言で片付けてもいいと
最近ではよく思う。
その時もクリスマスの飾り付けをしていた。
脚立に乗っていた先輩に
下から飾りを手渡すと
「違う!そっちの星だって!
何回言えば分かるのっ!」
「はい。すいません」
野外なので、手も足も氷のように冷たい。
しかも怒られてばかりなので
道行く人が振り返って見てる。
どうしてこんなバイトにしたのか
自分でも信じられない。