赤い衝撃
テーブルに鍋の用意が出来上がった頃
龍二が帰って来た。
「鍵開いてたぞ」
おかえりなさい、と言った先から
麻耶は笑っていた。
ただいまでも、お邪魔しますでもなく
鍵開いてた、って言いながら
二人が入ってきたのが可笑しかった。
兄弟ってそんな所まで似るのかと・・・
二人は、麻耶が笑っているのを
不思議そうに見て
変なヤツ!と口を揃えた。
龍二は家に帰ると、一番にお風呂に入る。
麻耶は、シャワーの音を確認して
着替えを持って行った。
「奥さんみたいだな?」
マサルが冷かしの眼を麻耶に向けた。
「ただの家政婦です」
マサルの冷かしに乗らないよう
感情のこもってない口調で答えた。
「兄貴ってさぁ、家政婦雇うくらいなら
結婚すれば良いのになっ?!」
「金目当ての女は、要らないんだって。
私に頼んだ時に言ってた」
「ふ~ん」
麻耶はお酒の準備をする為に
台所へ向かった。