赤い衝撃
「こんな高い物・・・」
「良いじゃん、貰っとけばぁ!」
マサルは、気にも留めてない様子だった。
いくら社長からのプレゼントでも
これは駄目でしょ。
ブランドに詳しくない麻耶でも
幾らくらいかの想像はついた。
「でも・・・」
「そういう女だから雇ったんだ!
俺の眼に狂いはなかったな!」
彼は、笑いながら麻耶の肩を叩いた。
一度言い出したら聞かないし
強引なのも分かっていたので
麻耶は心良く貰う事にした。
「ありがとうございます」
麻耶が笑顔で龍二を見ると
「おう。じゃあ、食うぞ!」
龍二も笑顔で答えてくれた。
三人でお酒を飲むのは初めてだった。
龍二もマサルも、飲むとよく喋る。
その話が面白くて、麻耶は笑いっぱなし。
お酒も強くないし、笑い疲れて
麻耶はソファに横になっていた。
「泊まるか?」
龍二の言葉に、麻耶は起き上がった。
「いえ、帰ります」
「電車ないぞ。酒飲んだから車も駄目だ」