赤い衝撃

龍二がベーコンエッグとサラダを

マサルがトーストを麻耶がコーヒーを

淹れてテーブルに着いた。

「変な感じだな?」

トーストを頬張りながらマサルが

龍二と麻耶を交互に見た。

「家族じゃないのに

 兄妹みたいに三人で朝メシ食ってる」

「ハハ、そうだな」

「そうですよねぇ、変ですよね。

 私は家政婦なのに図々しいですね?」

麻耶は、軽はずみな行動を後悔して

トーストを皿へ戻し、下を向いた。

「おい、どうした?」

龍二の問い掛けにも答えられず

瞬きを繰り返した。

マサルが麻耶の肩に手を置き

「何気にしてんの?

 俺ら兄妹で良いじゃん!

 麻耶がイヤじゃなかったらだけどな?」

「私は一人っ子だけど、いとこが

 近くに居るから姉妹みたいに育ったの。

 でも、男兄弟はよく分からないかな・・・」

「だから、俺達が・・・な?兄貴」

「ああ」

「龍二さん怒ってませんか?」

麻耶が、龍二を上目遣いで見ると

「いや。いいから食え」

そう言って、コーヒーカップを口元に運んだ。



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