赤い衝撃

彼氏がいないので

長い正月休みも憂鬱な感じ。

梨恵が、初詣に行こうと誘いに来たので

着物を着て二人で出掛けた。

「この歳で女二人の初詣はキツイね?」

「失礼ね!私は麻耶が寂しいだろうから

 付き合ってあげたの!」

そうでしょう、そうでしょう

梨恵が男に困ってないのは知ってますぅ。

「すいませんねぇ」

思いっきり嫌味を込めて言い

舌を出して見せた。

「明日からは予定があるからね!」

「はい、はい。

 私は一人で暇を持て余しますぅ」

「龍二さんは?」

どうして、其処で龍二の名前が出るのか

見当もつかないし。

「マサル君とか?」

「だから~、どうして二人なのよ?」

「兄妹の契り交わしたんでしょ?」

「何が兄妹の契りよ!演歌歌手か?」

「違うの~?!」

梨恵は、不適な笑みを浮かべ

麻耶の腕に絡み付いた。

何処か旅行に行くとか、飲み会があるとか

言ってたような・・・

一度は掃除をしに行こうと思ってるだけで

何処か連れて行って欲しいなんて

まさか、思ってないよ。



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