赤い衝撃

「私も一度会いたいなぁ」

「会えば?」

「良いの~?私の魅力に洗脳されるよ!」

「誰が?」

「二人とも!」

「アホらし」

梨恵の自信たっぷりな笑顔は

子供の頃から見飽きてるので

今更驚きもしないけど・・・

確かに可愛いから有り得るかもね。

「一緒に行こうよ!」

「本気で言ってる?明日からの予定は?」

「予定は未定だから!」

梨恵の眼が訴えている。

本当は予定なんか無いのかも知れない。

そう言えば、最近男の話を聞いてない

気もする。

「分かった。夜にでも電話してみるよ」

梨恵は嬉しそうに飛び上がり

巾着を振り回した。

たくさんの人混みを掻き分け

賽銭箱の前に到着した。

家族の健康と、自分のやりたい仕事が

早く見つかりますように、とお願いした。

帰りに露天でイカ焼きを買った。

美味しかった。



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