赤い衝撃

龍二がすき焼きをしてくれているので

麻耶と梨恵は、お酒の差し入れを買って

マンションへ行った。

鍵は麻耶が持っているので

チャイムは鳴らさない。

「なんか、自分の部屋に帰ったみたいに

 自然だね?」

梨恵らしくなく、緊張して見えるのは

気のせいでしょうか。

「家政婦だからね。

 もしかして、緊張してる?」

「はぁ?私が?」

声に余裕がないですけど・・・

梨恵の手を引いてリビングへ行くと

龍二とマサルが台所で準備をしていた。

「あけましておめでとうございます」

梨恵も続けて挨拶すると

二人が振り向き、同じように挨拶をした。

「私手伝いますね。梨恵は座ってて」

「今日は良いんだ。

 麻耶はお客さんだからって、兄貴が」

「マジで?」

「だから、麻耶も座ってろ」

マサルに背中を押されたので

リビングへ戻り、梨恵の隣に座った。



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