赤い衝撃
麻耶は、買ってきたお酒をテーブルに
並べていた。
梨恵は、その様子を上の空で眺めている。
顔の前で手を振ると
ピクッと頭を揺らし、麻耶と視線を合わせた。
「どうしたの?」
「私が想像してたより二人とも男前だから
ビックリして・・・緊張してるかも・・・」
「ハハ、珍しい。さっきの自信は?」
「自信はあるよ」
大きな眼で何度も瞬きしながら
梨恵が答えたので、軽く笑ってしまった。
「お待たせ~」
龍二とマサルが料理を運んでくれた。
グツグツと美味しそうな音と
甘辛い匂いが、リビングに拡がった。
それぞれのグラスにビールを注ぎ
乾杯!をして最初の一杯は喉を潤す。
二杯目からは、手酌か直飲み。
「どうぞ」
龍二が梨恵に向かって掌を向けた。
すると、透かさずマサルがチャチャを入れる。
「何がどうぞだ!気持ち悪ー!」
「そうですよ。龍二さんらしくなーい!」
麻耶も追い討ちを掛け
マサルと顔を見合わせて笑った。
「そうだな」
龍二は肩をすくめた。