赤い衝撃
第3章 プロポーズ
マサルの就職が決まり
実家を出ると言い出した。
兄貴のマンションからの方が通勤に便利で
一緒に住みたいんだ。
兄貴が居ない時は、俺が家の事をする。
だから、家政婦は要らないと思うんだ。
麻耶も自分のやりたい事見つけてさぁ
いつまでも兄貴の世話をしてる訳にも
いかないだろ。
麻耶は、遊びに来れば良いんだから
何も変わらないだろ。
マサルの意見は正しい。
だけど、まだ見つからなくて・・・
普通のバイトより倍の給料で
自分の都合に合わせて出来るし
誰かの世話をするのも苦じゃなくて
此処のマンションも居心地が良いので
麻耶は、辞めたくなかった。
だけど、そんな事は言えない。
龍二の判断に任せようと思い
麻耶は黙って聞いていた。
龍二は、暫く考えていた。
「駄目だ。二人で住むには狭すぎる。
それに、俺の生活スタイルが崩れる。
金を出してやるから、他を探せ」
「そう言うだろうと思ってたよ!
分かった、会社の近くで探すわっ!」
マサルは、チェッと舌打ちをした。
だけど、不機嫌そうではなかった。