赤い衝撃

それから毎日会うようになって

頑張れよ、と言いながら通り過ぎる。

此処の仕事が終われば、それまで。

5日だけの知り合いで終わると思っていた。



     ☆     ☆     ☆



今日で、此処の仕事も終わりだけど

退社時間になっても間に合わず

夜遅くまで飾り付けをしていた。

先輩も少しは気を使ってるみたいで

コンビニでサンドイッチを買ってくれた。

「もう少しだから」

「はい」

サンドイッチを食べ終え、仕事再開。

麻耶は早く帰りたい一心で作業していた。

そして最後の飾り付けを終えた。

「ご苦労様!」

「はい」

「片付けは私がするから帰って良いわ!」

「はい。ありがとうございます」

電車の時間を確かめると

少し時間があった。

先輩は、ダンボールを抱えながら

軽バンに荷物を運んでいる。

手伝えば早く終わるし

電車の時間も丁度良いけど・・・

麻耶は、先輩を横目に見ながら

お先に失礼します!と言って駆け出した。



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