赤い衝撃
マサルは、勘違いしていた。
麻耶と、自分を結婚させようと龍二が
思ってると。
「早いだろ?てか、なんで?
俺ら兄妹だろ?本当の兄妹じゃないけど。
麻耶の気持ちはどうなんだよ?!」
マサルは、麻耶に鋭い視線と
少し興奮して肩で息をしている身体を
こちらに向けた。
「嫌いじゃないなら・・・好きって事?」
「疑問系かよ?!」
「だって、色々考えたけど分からなくて。
好きか、嫌いかの問題だって言われて」
「はぁ・・・考えた事もなかった」
マサルは、大きく息を吐きビールを飲んだ。
龍二は、二人のやり取りを他人事のように
眺めながら箸を動かしていた。
麻耶も考えがまとまらないので
「食べよう・・・ゆっくり答え出そう」
自分に言い聞かすように呟き
マサルのグラスにビールを注いだ。
それからは、無言で食べ、無言で飲み
無言で片付けをした。
マサルは、最後までビールを放さず
龍二と麻耶がお風呂から上がっても
一人で飲んでいた。