赤い衝撃

落ち着いて、何処に寝ようかと考える。

ソファには寝れないので

マサルの部屋へ行こうと腰を上げた瞬間

手を捕まれた。

「エッ」

声にならない声が漏れた。

龍二は、とても柔らかな眼差しで

麻耶を見つめた。

恥ずかしさと罪悪感と不安が一気に

心に押し寄せて、眼を伏せてしまった。

「どういう意味だ?

 そのまま受け取れば良いのか?」

麻耶は口も利けず俯いたままだった。

「麻耶?」

これまでとは違う優しい口調に

ハッとして上を向いた。

「信用出来ないか?」

何度、この言葉を聞いただろう。

私が不安そうにしていると

安心させる為に真剣に言ってくれるし

嘘はなかった。

言われる度に、信頼度も増していった。

だけど、それは兄妹としての信頼度だった。

マサルにも同じように心を許している。

だから確かめたんだ。

キス出来るか・・・どうか。



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