赤い衝撃
龍二の鼓動が耳に届いてくる。
速い、と思った。
龍二でも、ドキドキするのかと思った。
麻耶は自分の胸に手を当てた。
私より速いよ龍二、と心の中で呟いた。
-----お前との子供が欲しい。
そんなプロポーズであり?
直球過ぎるでしょ。
だけど、好きとは言わなかった。
そんな事を考えていると
彼の鼓動のスピードが遅くなった。
麻耶は、フフッと笑ってしまった。
「俺がこんな言うと、可笑しいか?」
「ううん、そうじゃないよ。
言うと思わなかったから・・・
そんな事言えるか、ってぶっきらぼうに」
「ぶっきらぼう?俺が?」
「うん。もの凄くね」
彼は、不思議な言葉を聞いたように
首を傾げていた。
まさか、気付いてなかったのか。
腕組みまでして考えている。
もしかして、本気で・・・
自分が優しい口調だと思っていたのか。
そう考えると麻耶は可笑しくて
笑いが止まらなくなった。
マサルが起きるとヤバイので
口を覆って笑っていた。