赤い衝撃
ドアの開いた音がした。
マサルが神妙な顔つきで二人に近付いた。
「ごめん、起こしちゃった?」
「寝れなかった。麻耶の事考えてた」
マサルは髪の毛をクシャクシャにして叫び
そして座り込んだ。
麻耶と龍二は、呆然と見ていた。
沈黙が続き、マサルは大きく息を吐いて
苛立った様子で口を開いた。
「俺の中で麻耶は妹なんだ!
彼女にも、まだ未練がある。
お互い嫌いで別れた訳じゃないんだ。
仕事が落ち着いたら
会いに行こうと思ってる。
だから、麻耶とは結婚出来ない!」
フフッと横から笑い声が漏れた。
麻耶もフフッと笑った。
そして、龍二と顔を見合わせ
マサルに視線を戻し、噴き出した。
その様子をマサルは半開きの口で
見ていた。
「誰が結婚するって?」
笑いが止まらない龍二が
眼を細めてマサルに聞いた。
「俺と・・・麻耶?」
「アホかお前は?俺と麻耶だよ!」
「はあーーーー???」