赤い衝撃

ドアの開いた音がした。

マサルが神妙な顔つきで二人に近付いた。

「ごめん、起こしちゃった?」

「寝れなかった。麻耶の事考えてた」

マサルは髪の毛をクシャクシャにして叫び

そして座り込んだ。

麻耶と龍二は、呆然と見ていた。

沈黙が続き、マサルは大きく息を吐いて

苛立った様子で口を開いた。

「俺の中で麻耶は妹なんだ!

 彼女にも、まだ未練がある。

 お互い嫌いで別れた訳じゃないんだ。

 仕事が落ち着いたら

 会いに行こうと思ってる。

 だから、麻耶とは結婚出来ない!」

フフッと横から笑い声が漏れた。

麻耶もフフッと笑った。

そして、龍二と顔を見合わせ

マサルに視線を戻し、噴き出した。

その様子をマサルは半開きの口で

見ていた。

「誰が結婚するって?」

笑いが止まらない龍二が

眼を細めてマサルに聞いた。

「俺と・・・麻耶?」

「アホかお前は?俺と麻耶だよ!」

「はあーーーー???」



< 61 / 119 >

この作品をシェア

pagetop