赤い衝撃

マサルが大きく溜息を吐いた。

「二人の事なら二人で決めろ!俺は寝る」

そう言って、ソファに横になった。

「寝るんなら、あっちの部屋で寝ろ。

 麻耶も・・・な?」

龍二は、麻耶の腕を取り立ち上がらせた。

するとマサルは眼を閉じて

「兄貴と麻耶があっちの部屋で寝ろよ」

邪魔者を追い払うように

大げさに手を振った。

「あぁ?」

「良いから、良いから」

マサルは、二人に背中を向けて

動こうとはしなかった。

龍二は、仕方ない、と呟き麻耶を促した。

「疲れただろ?寝ろ」

「う、うん」

麻耶がベットに入ると

龍二も隣のベットで横になった。

だけど眠れるはずもなく

薄暗い部屋の壁を見ているだけだった。

彼も眠れない様子で

何度も寝返りを打っていた。

二人ともかける言葉も見つからず

夜の静寂に漂っていた。



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