赤い衝撃
翌朝、カーテンの隙間から光が差し
いつの間にか眠っていた事を知らされた。
名前を呼ばれて隣を向くと
龍二がベットに横になったまま
天井を見ていた。
「眠れた?」
「少しは」
「私も・・・」
「聞いて良いか?」
「うん」
「なんでキスした?」
「それは・・・」
キスが出来たからと言っても
それが、直接好きに繋がるかと
言われればよく分からない。
だけど、100%お兄ちゃんとして好きと
いうのも違うと感じていた。
麻耶は、正直に自分の気持ちを打ち明け
口元を布団で隠した。
「俺からキスしても良いか?」
「どうして?」
「したいから」
麻耶は、返事が出来なかった。
彼の横顔を見ると
不安に押し潰されそうな表情をしていた。
麻耶は固く眼を閉じ、深呼吸をして
彼の枕元へ歩み寄った。
「言葉が欲しい」
龍二もベッドから出て、向かい合った。