赤い衝撃
龍二は、優しく麻耶の背中に腕を回した。
二人の鼓動がリンクしている。
他には、風の音も空気の音も
呼吸さえ聞こえないほど静かだった。
「麻耶?」
「うん?」
「・・・・・好きだ」
麻耶は、彼を見上げた。
その眼には、揺るぎない意思と
真剣な光があった。
だから眼を閉じた。
そして、二人の唇が重なった。
暖かい感触が全身を包んだけど
すぐに離された。
「麻耶?」
「うん?」
「嫌だったか?」
麻耶は、首を横に振るのが精一杯だった。
「俺を信じろ」
「うん」
「ゆっくりで良い。
お前のペースで俺を好きになれ。
気持ちが固まったら言ってくれ」
「うん」
龍二は、麻耶の顔を覗き込み
優しく微笑んで抱き寄せた。