赤い衝撃
「朝メシ作るか?!」
「うん!」
リビングへ行くと、マサルはまだ寝ていた。
きっと、寝付けなかったんだろう。
麻耶はそっと近付き
マサルの寝顔を見つめた。
龍二は麻耶の後ろに立っている。
マサルの規則正しい寝息を聞いていると
やっぱりお兄ちゃんだ、と思った。
だからホッペにキスをした。
唇には出来なかった。
決まりだな、龍二の呟きが聞こえ
麻耶も、そうだね、と呟いた。
昨日市場で買ってきた残り物で
朝食を作った。
マサルは、起きそうにないので
二人で済ませ外へ出た。
コテージの裏は、大きな木が
たくさん並んでいて
表は少し歩くと海がある。
今日も天気が良くて
太陽の光と海が乱反射して見えた。
砂浜には、人影もなく
波の音が耳にとても心地良い。
思わず叫びたくなる衝動にかられた。
両手を一杯に広げ、大きく息を吸い込む。
その時、息が止まったような気がして
あの夢を思い出した。