赤い衝撃
龍二の実家がある街に入り
此処から10分もあれば着く。
彼が、実家に電話を掛けると
明日にして欲しいと、母親に言われた。
だけど、龍二は予定を変えなかった。
「今日はホテルだな」
「先に連絡してないからでしょ?」
「そうだな」
家には泊まれないので
シティホテルへ向かった。
彼がフロントで尋ねると
この時間に新規でチェックインは出来ない。
予約を頂いていれば良かったのですが
と断られた。
夕飯がまだなので
最上階のレストランへ行くと
夜景がとても綺麗だったので
今度泊まろうね、と話しながら食事をした。
「ラブホテルでも良いか?」
「うん、良いよ」
麻耶は、平静を装っていたけど
心臓は弾けそうなほど高鳴っていた。
コテージに泊まって以来
同じ部屋で眠った事はなかった。
龍二なりのケジメだと考えていたので
麻耶から誘う事もしなかった。