赤い衝撃

龍二の実家がある街に入り

此処から10分もあれば着く。

彼が、実家に電話を掛けると

明日にして欲しいと、母親に言われた。

だけど、龍二は予定を変えなかった。

「今日はホテルだな」

「先に連絡してないからでしょ?」

「そうだな」

家には泊まれないので

シティホテルへ向かった。

彼がフロントで尋ねると

この時間に新規でチェックインは出来ない。

予約を頂いていれば良かったのですが

と断られた。

夕飯がまだなので

最上階のレストランへ行くと

夜景がとても綺麗だったので

今度泊まろうね、と話しながら食事をした。

「ラブホテルでも良いか?」

「うん、良いよ」

麻耶は、平静を装っていたけど

心臓は弾けそうなほど高鳴っていた。

コテージに泊まって以来

同じ部屋で眠った事はなかった。

龍二なりのケジメだと考えていたので

麻耶から誘う事もしなかった。



< 78 / 119 >

この作品をシェア

pagetop