赤い衝撃
地元なので、龍二は迷わず車を走らせた。
「何あれ?」
「この辺りで一番大きいホテル」
大きな川沿いに、パチンコ屋も真っ青な
ネオンが輝いていた。
建物全体が光っていて
近付くにつれ目を背けたくなるほどだった。
「派手だね?」
「ああ」
建物に入ると、駐車場はいっぱいで
部屋は一つしか開いてなかった。
その部屋は、外装の派手さに比べて
意外とシンプルだった。
白とピンクで統一されていて
布団だけは眼の覚めるような赤だったので
少し恥ずかしくなった。
「お風呂入れるね」
お風呂場へ向かおうとした時
後ろから抱きしめられた。
「どうしたの?珍しい」
「だな」
麻耶は、龍二の腕に手をかけた。
どのくらいそうしてたのか・・・
「龍二、大丈夫?」
「ああ。風呂入れ」
「うん」
龍二はソファに腰を下ろし、天を仰いだ。