赤い衝撃

クーラーの冷たい風が、身体を抜けた。

汗を掻いているので冷えたのだろう。

麻耶は、熱いお湯でシャワーを浴びた。

お風呂場でも、眼を瞑ると蘇る。

ピンクのタイルが真っ赤に見えた。

私の目がおかしいんだ。

麻耶は、シャワーを目に当て洗い流した。

我慢出来なくなるまで流して

そして目を瞑る。

消えた。

真っ赤な映像が見えなくなり

身体の震えも止まった。

大丈夫、大丈夫、呪文のように呟く。

鏡に映る顔は、真っ青で眼は充血していた。

部屋に戻り、枕元に腰を下ろした。

「どうした?」

身体が飛び上がり、眼を見開いた。

「麻耶?」

腕を掴まれ、龍二だと気付いた。

「起こしたね、ごめん」

龍二は起き上がり、肩に手を置いた。

「怖い夢でも見たか?」

麻耶は、身体の向きを変え

彼に抱きついた。



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