赤い衝撃

背中を撫でられると涙が溢れた。

「怖かったのか?」

声が出るのに数秒かかった。

「う、うん」

消えそうな声で返事をしたけど

理由は言えなかった。

「龍二、愛してるって言って」

涙声で問い掛けると

龍二は少し戸惑いながら

「愛してる」

「もう一度」

「愛してる」

何度も問い掛けた。

それこそ、催眠術にかかるまで・・・

彼は答えてくれた。

何度も何度も。

「ありがとう、落ち着いた」

「不安か?」

「ううん、そうじゃないよ。

 私も龍二を愛してるから」

「ああ」

「抱いて、龍二を感じたい」

「無理するな」

麻耶は龍二の上に乗りキスをした。

彼は、麻耶の震えを止めようと

強く抱きしめた。

そして、もう一度繋がった。



< 84 / 119 >

この作品をシェア

pagetop