赤い衝撃
「来週で5ヶ月。
5ヶ月過ぎたら死亡届けがいるんだよ。
腹帯の日程も聞いてきたんだよ」
龍二はうな垂れて、眉を潜めた。
「父親は要らない!」
そう履き捨てて
麻耶は荷物をまとめ出した。
「麻耶っ!犯罪者の子供になるんだぞ!」
「・・・」
龍二は、肩を鷲づかみにした。
「考え直してくれ!悪かった!」
涙が止まらなかった。
辛くて、苦しくて、悲しかった。
あんな夢を見たから・・・
予知夢だったんだろうか。
私みたいな平凡な女に
そんな特殊な才能なんてある訳がない。
怖くて、怖くて・・・
だけど、龍二が居てくれたから
忘れられてたのに。
龍二が現実にしてしまうなんて・・・
夢にも思わなかった。
「考える時間が欲しい。
どちらにしても迷惑は掛けないから」
そう言って部屋を出た。
「麻耶ー!」
彼の叫び声が階段を降りかけた所で
聞こえたけど、追いかけては来なかった。