雨上がりの空に君を見つける


 そう言うと不満気な顔をしながらもうなずいてくれる。



「はあ、仕方ないなあ。今回は紫織の顔に免じて許してあげるっ。ただし希生、またチョコ食べたら次こそ許さんぞっ」


「わかったってば。紫織ありがと〜っ。」



 二人はほんと、仲いいなぁ。



「あははっ。でも希生、私が買ってくるなんて一言も言ってないよ」


「えっ」



 希生が驚いたようにこちらを見てくる。



「食べたのは希生なんだから希生が買ってこないと〜」


「そうだよ。紫織に買ってこさせるのは申し訳ないよ、希生」


「ええ〜。そんな〜」



 ひどいよ〜と顔で訴えられるけど仕方ない。

 チョコレートを代わりに買うお金なんて今月はない。カラオケやショッピングでほとんど使ってしまっている。


 家のお金に余裕はあるものの、毎月制限を決めてお金を使っているのだからこれ以上は使えない。



「あっそういえばさ〜、ここ新しくスイーツのお店ができててさ〜」


「あっ話題になってたとこだ〜っ。今度みんなで行こうよ」



 朝のホームルームが始まるまでコロコロと話題は変わっていく。その話たちに当たり障りのない相槌を打って過ごす。お金を使うことばかりがつぎつぎ出てくる。


 また無意識にため息が出ていた。









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