雨上がりの空に君を見つける



 「いや〜、何しようかな。」



 ぷらぷらと廊下を歩く。


 いや、別に家に帰ればいいんだけど。このまま帰っても時間を持て余してしまう。二時間ぐらい時間を潰せないだろうか。


 図書室へ行こうとも本を読むのは苦手だし、かといって勉強する気も出ない。



「え、雨?」



 気がつくと、いつの間にか空はどんより灰色に染まり、ポツポツと雨を振り落としている。


 なんてこった。更に帰りたくなくなってしまった。


 どうしようか。傘は置き傘が置いてあったはずだから、帰る時に濡れることはないだろう。


 一応天気予報を確認してみると、このあと更に雨脚が強くなるという。


 こりゃあダメだ。仕方ない。今日は大人しく帰るとしよう。


 ふと窓から下を見下ろす。


 中庭の花壇に人がいて何かしらの作業をしている。



 (雨の中可哀想だな…)



 業者か何かの人だろうか。花の手入れをしているみたいだった。



「はあ。二人は部活が始まっちゃったし、私も何かしらの部活に入ろうかなぁ、」
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