ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
ジェラードに頼んで王宮の裏口を入り、レオ様を探します。
ジェラードの小屋から少し離れたところで、二人は言い争いをしていました。
「レオ! ムーンライトフラワーはどこ?!」
「お前、なんでこんな時間にこんなところにいるんだよ! それにお前、足なんてケガしてねえだろ! 普通に走って来たの見たぞ」
「そんなことはどうでもいいのよ! とにかく早く、ムーンライトフラワーを出しなさいよ!」
「おい! お前、誰に口きいてんだよ! 俺は王太子だぞ!」
ちょっと待って!
仮にもこの国の王太子殿下と、その婚約者候補の方の会話だとは思えません。場外乱闘? いいえ、城内乱闘?
どうしましょう。二人のガラが悪すぎて、回れ右しておうちに帰りたくなって来ました。
でもいけません。思い出すのよ、コレット。私はレオ様のことが大好きで、『卑怯な手』を使ってレオ様の気持ちをコントロールしようとするメイ様を止めるために戻ってきたのだから。
負けない! 行くわよ!
「お二人とも! ケンカはやめてください!」
私の精一杯の大声に、二人はこちらに振り向きます。
「コレット……! あれ?さっき帰ったんじゃ?」
「コレット様、邪魔しないでください! 早く出て行ってよ」
「お前、コレットに何を言うんだ。お前こそ早く出ていけ!」
レオ様……。
先ほども思いましたが、貴方この国の王太子ですよ? もう少し言葉遣いに気を付けて。私みたいに悪魔に耐性のある令嬢は滅多にいないのですよ!
足をケガしたフリなどすっかり忘れたご様子のメイ様は、私の方に地響きを立てながら大股で向かってきました。そして、それを追うレオ様。
ジェラードの小屋から少し離れたところで、二人は言い争いをしていました。
「レオ! ムーンライトフラワーはどこ?!」
「お前、なんでこんな時間にこんなところにいるんだよ! それにお前、足なんてケガしてねえだろ! 普通に走って来たの見たぞ」
「そんなことはどうでもいいのよ! とにかく早く、ムーンライトフラワーを出しなさいよ!」
「おい! お前、誰に口きいてんだよ! 俺は王太子だぞ!」
ちょっと待って!
仮にもこの国の王太子殿下と、その婚約者候補の方の会話だとは思えません。場外乱闘? いいえ、城内乱闘?
どうしましょう。二人のガラが悪すぎて、回れ右しておうちに帰りたくなって来ました。
でもいけません。思い出すのよ、コレット。私はレオ様のことが大好きで、『卑怯な手』を使ってレオ様の気持ちをコントロールしようとするメイ様を止めるために戻ってきたのだから。
負けない! 行くわよ!
「お二人とも! ケンカはやめてください!」
私の精一杯の大声に、二人はこちらに振り向きます。
「コレット……! あれ?さっき帰ったんじゃ?」
「コレット様、邪魔しないでください! 早く出て行ってよ」
「お前、コレットに何を言うんだ。お前こそ早く出ていけ!」
レオ様……。
先ほども思いましたが、貴方この国の王太子ですよ? もう少し言葉遣いに気を付けて。私みたいに悪魔に耐性のある令嬢は滅多にいないのですよ!
足をケガしたフリなどすっかり忘れたご様子のメイ様は、私の方に地響きを立てながら大股で向かってきました。そして、それを追うレオ様。