ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
「まだ分からないかな。僕は……コレットのことが好きなんだ。王太子殿下の婚約者だということも分かってる。それでも、好きになってしまったんだ!」
「師匠……?」
「君と言う婚約者がありながら先に側妃を娶るなんて……殿下の君への仕打ちは、絶対に許されることじゃないよ。だけど、君がそれでも殿下と結婚したいのなら、僕は自分の気持ちを抑えるしかない。だから最後の思い出に、僕と一緒に行ってくれないか」
……師匠が私を好きですって?
確かにこの二週間は長い時間一緒に過ごしましたけど、こんなに会ったばかりの私を?
思わぬ告白に驚きを隠せない私の前で、師匠は続けます。
「もちろん二人きりでなんて言わない。いつもメイと一緒でもいい。ただ、殿下と離れて少しでも君に気分転換をさせてあげたい、それだけなんだ」
ただでさえ混乱していた心の中が、更にぐちゃぐちゃにかき混ぜられて目まいがしてきます。助けを求めてメイを見ても、呆れた顔で目を逸らすだけ。
「……師匠。お気持ちは大変ありがたいのですが、私は七歳の頃からレオナルド殿下と婚約しています。他の男性のことは考えたことが……あるけど……ええっと、ほとんど考えたことがございません! 師匠のお気持ちにはこたえられないのです」
師匠が私の左手をつかむ手に、ギリギリと痛いほどに力が入ります。
「コレット! 一緒に行ってくれたら、僕は必ず諦めます。僕のこの行き場のない恋心を、どうかどうか……」
師匠の必死の懇願と、妙に強い力でつかまれた左手の痛みに負けて、私はついに観念しました。
「……分かりました。それでは私がエアトンに旅行にいくのに、案内役としてついて来ていただくという形でいかがでしょうか。でも、私ももちろんメイを連れていきますし、師匠の従妹のウェンディ様もご一緒に来ていただきたいわ」
「いいの……? ありがとう、コレット! 絶対に楽しい旅にするよ!」
師匠が私に抱きついてきます。さすがにメイが慌てて止めて引き離してくれたけれど、本当にこの方と一緒に行って大丈夫かしら。
「師匠……?」
「君と言う婚約者がありながら先に側妃を娶るなんて……殿下の君への仕打ちは、絶対に許されることじゃないよ。だけど、君がそれでも殿下と結婚したいのなら、僕は自分の気持ちを抑えるしかない。だから最後の思い出に、僕と一緒に行ってくれないか」
……師匠が私を好きですって?
確かにこの二週間は長い時間一緒に過ごしましたけど、こんなに会ったばかりの私を?
思わぬ告白に驚きを隠せない私の前で、師匠は続けます。
「もちろん二人きりでなんて言わない。いつもメイと一緒でもいい。ただ、殿下と離れて少しでも君に気分転換をさせてあげたい、それだけなんだ」
ただでさえ混乱していた心の中が、更にぐちゃぐちゃにかき混ぜられて目まいがしてきます。助けを求めてメイを見ても、呆れた顔で目を逸らすだけ。
「……師匠。お気持ちは大変ありがたいのですが、私は七歳の頃からレオナルド殿下と婚約しています。他の男性のことは考えたことが……あるけど……ええっと、ほとんど考えたことがございません! 師匠のお気持ちにはこたえられないのです」
師匠が私の左手をつかむ手に、ギリギリと痛いほどに力が入ります。
「コレット! 一緒に行ってくれたら、僕は必ず諦めます。僕のこの行き場のない恋心を、どうかどうか……」
師匠の必死の懇願と、妙に強い力でつかまれた左手の痛みに負けて、私はついに観念しました。
「……分かりました。それでは私がエアトンに旅行にいくのに、案内役としてついて来ていただくという形でいかがでしょうか。でも、私ももちろんメイを連れていきますし、師匠の従妹のウェンディ様もご一緒に来ていただきたいわ」
「いいの……? ありがとう、コレット! 絶対に楽しい旅にするよ!」
師匠が私に抱きついてきます。さすがにメイが慌てて止めて引き離してくれたけれど、本当にこの方と一緒に行って大丈夫かしら。