ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
第5話 王太子の秘密 ※レオナルドside
「……コレットに、会ったのか?」
貴族たちを招いての新年祝賀会の場で母上が倒れてからというもの、付きっ切りで看病する国王陛下の仕事が全て俺に回って来て多忙を極めている。コレットに会う時間もゆっくり手紙を書く時間もなく、睡眠時間も削って働く日々だ。
俺がそんな状況の中、アランがコレットにバッタリ会ったと言う。
「マズイ場所で会ってしまったよ……。あの毛糸店だ。さすがに怪しまれて、質問攻めになった」
「それで? 喋ったのか?」
「……聞かれたことにいくつか答えただけだが、コレットは完全に察した感じだったな」
……目まいがしそうだ。
この件は、俺が直接コレットに伝えるべきだった。マズイ場面を見られてその場で言い訳するなんて、最悪のパターンだ。
「コレットの反応は?」
恐る恐るアランに尋ねる。
ただでさえこの数か月まともに会えなくて不安に思っているだろうに、そんな時に子供ができた話なんて聞いたらどうなる……? コレットじゃなくたって、国民が聞いても驚く話だ。
「反応か……すごい顔をしていたな。この世の終わりみたいな」
ああ、やっぱり俺が直接話をすれば良かった。こんなに毎日毎日仕事に追われてさえいなければ。今からでも遅くない、すぐにコレットに会って話そう。
「アラン、ジョージ、少し外出してくる。リード公爵邸まで」
「……何言ってんだよ、レオ! これから聖職者たちとの会合があるし、それが終わったら明日の外国からの訪問客対応の準備だ。その後はポーラ嬢も来る。今日も寝る時間すらないよ!」
文官として俺の側近を務めるジョージが苦言を呈す。聖職者が不満を持っては内乱につながりかねないし、やっと隣国との関係が改善してきた今、外国の訪問客を軽視することもできない。ポーラとの約束も……外せない。
貴族たちを招いての新年祝賀会の場で母上が倒れてからというもの、付きっ切りで看病する国王陛下の仕事が全て俺に回って来て多忙を極めている。コレットに会う時間もゆっくり手紙を書く時間もなく、睡眠時間も削って働く日々だ。
俺がそんな状況の中、アランがコレットにバッタリ会ったと言う。
「マズイ場所で会ってしまったよ……。あの毛糸店だ。さすがに怪しまれて、質問攻めになった」
「それで? 喋ったのか?」
「……聞かれたことにいくつか答えただけだが、コレットは完全に察した感じだったな」
……目まいがしそうだ。
この件は、俺が直接コレットに伝えるべきだった。マズイ場面を見られてその場で言い訳するなんて、最悪のパターンだ。
「コレットの反応は?」
恐る恐るアランに尋ねる。
ただでさえこの数か月まともに会えなくて不安に思っているだろうに、そんな時に子供ができた話なんて聞いたらどうなる……? コレットじゃなくたって、国民が聞いても驚く話だ。
「反応か……すごい顔をしていたな。この世の終わりみたいな」
ああ、やっぱり俺が直接話をすれば良かった。こんなに毎日毎日仕事に追われてさえいなければ。今からでも遅くない、すぐにコレットに会って話そう。
「アラン、ジョージ、少し外出してくる。リード公爵邸まで」
「……何言ってんだよ、レオ! これから聖職者たちとの会合があるし、それが終わったら明日の外国からの訪問客対応の準備だ。その後はポーラ嬢も来る。今日も寝る時間すらないよ!」
文官として俺の側近を務めるジョージが苦言を呈す。聖職者が不満を持っては内乱につながりかねないし、やっと隣国との関係が改善してきた今、外国の訪問客を軽視することもできない。ポーラとの約束も……外せない。