ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
恥ずかしくて外を歩けない? それはこちらのセリフです。十三年も婚約していたにも関わらず、正式な婚約者よりも先に側妃と子を為されてしまった私の身にもなってください。
今更ながら、ディラン様の言葉が私の心をえぐるのです。
ーー『昨日の晩に側妃を抱いた腕で抱かれる自分を想像してよ』
目の前にいるレオ様のあの腕、あの手、あの指が、私以外の女性に触れたのかと想像して、思わず私はレオ様から目を逸らします。
「懐妊のことは、俺の誕生日パーティーで発表しようと思っている。それと……俺とコレットのことも……発表するけど、大丈夫か?」
ああ、やっぱり。
レオ様の誕生日パーティーが私の断罪の場。側妃の懐妊と、私との婚約破棄を同時に発表するのですね。
「……分かりました。私の、その後のことも考えて頂いているのですよね?」
「……ちゃんと考えてる。コレット、本当に長い間婚約者のままで引き留めてしまってすまなかった」
「……いいえ」
「今まで本当にありがとう」
「……いいえ」
「……ごめん、エアトンから戻ったばかりで疲れてるよな? 明後日、王宮で待ってるから。ゆっくり休んで」
私は無表情のままで一礼し、レオ様とお話した部屋を後にします。
まだです、まだ泣いてはいけません。
私の本番の舞台はこれから。パーティーの場での断罪なのですから。
今更ながら、ディラン様の言葉が私の心をえぐるのです。
ーー『昨日の晩に側妃を抱いた腕で抱かれる自分を想像してよ』
目の前にいるレオ様のあの腕、あの手、あの指が、私以外の女性に触れたのかと想像して、思わず私はレオ様から目を逸らします。
「懐妊のことは、俺の誕生日パーティーで発表しようと思っている。それと……俺とコレットのことも……発表するけど、大丈夫か?」
ああ、やっぱり。
レオ様の誕生日パーティーが私の断罪の場。側妃の懐妊と、私との婚約破棄を同時に発表するのですね。
「……分かりました。私の、その後のことも考えて頂いているのですよね?」
「……ちゃんと考えてる。コレット、本当に長い間婚約者のままで引き留めてしまってすまなかった」
「……いいえ」
「今まで本当にありがとう」
「……いいえ」
「……ごめん、エアトンから戻ったばかりで疲れてるよな? 明後日、王宮で待ってるから。ゆっくり休んで」
私は無表情のままで一礼し、レオ様とお話した部屋を後にします。
まだです、まだ泣いてはいけません。
私の本番の舞台はこれから。パーティーの場での断罪なのですから。