ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
乙女ゲームの世界に転生。そんなベタな小説みたいなことが自分に起こるなんて、あなたは信じられる?
私コレット・リードは、リード公爵の一人娘。今は七歳。既にお察しの通り、つい今しがた湖に落ちたんですが、それをきっかけに思い出してしまったんです。
私の前世は日本人で、前世でハマっていた乙女ゲーム『ムーンライト・プリンセス』の世界に転生したのだと!
間違いありません。だって湖に落ちた私を引っ張り上げてくれたのは、私が前世でずっと恋焦がれていたあのお方。
ゲームの攻略対象イケメンその五、エリオット・スペンサー様、その人なんですもの!
私よりも二つ年上のエリオット様の手は、子供ながらにも少し大きくて頼もしくて。こんな素敵な手を握るチャンスができたのだから、湖に落ちて良かったなんて思ってしまいますね。
少し口に入ってしまった水のせいでケホケホと咳をしながら、岸に上がった後もちゃっかりエリオット様の手を握ったままにしてしまいました。
「……大丈夫?」
なんと……! まだ声変わりをしていないにも関わらず、既に色気あふれるこの美声。エリオット様もびしょ濡れなのに、先に私を気遣ってくれるこの優しさ。やっぱり、前世の私による最推しのエリオット様、最高です!
「助けていただいてありがとうございます。私は大丈夫です」
「良かった! 君がコレットだね。スペンサー領へようこそ。休暇を楽しんで」
そうなのです。残念ながら私は……コレット・リードなのです。
私コレット・リードは、リード公爵の一人娘。今は七歳。既にお察しの通り、つい今しがた湖に落ちたんですが、それをきっかけに思い出してしまったんです。
私の前世は日本人で、前世でハマっていた乙女ゲーム『ムーンライト・プリンセス』の世界に転生したのだと!
間違いありません。だって湖に落ちた私を引っ張り上げてくれたのは、私が前世でずっと恋焦がれていたあのお方。
ゲームの攻略対象イケメンその五、エリオット・スペンサー様、その人なんですもの!
私よりも二つ年上のエリオット様の手は、子供ながらにも少し大きくて頼もしくて。こんな素敵な手を握るチャンスができたのだから、湖に落ちて良かったなんて思ってしまいますね。
少し口に入ってしまった水のせいでケホケホと咳をしながら、岸に上がった後もちゃっかりエリオット様の手を握ったままにしてしまいました。
「……大丈夫?」
なんと……! まだ声変わりをしていないにも関わらず、既に色気あふれるこの美声。エリオット様もびしょ濡れなのに、先に私を気遣ってくれるこの優しさ。やっぱり、前世の私による最推しのエリオット様、最高です!
「助けていただいてありがとうございます。私は大丈夫です」
「良かった! 君がコレットだね。スペンサー領へようこそ。休暇を楽しんで」
そうなのです。残念ながら私は……コレット・リードなのです。