ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
第2章 乙女ゲームが始まりました
第4話 王太子様に操られています!
七歳の時に王太子であるレオナルド・ブランデール殿下と婚約してから、早くも八年が経ちました。
途中、殿下は外国に留学していたので、八年間ずっと一緒にいたわけではありません。が、時々王宮に呼び出されては用事を言いつけられ、断れば凄まれ、私は完全にあの男のアンダーコントロール。パシリ令嬢なのでございます。
外面は天使、本性は悪魔。
二年前に先に学園に入学した悪魔……もとい、レオナルド殿下は、お得意のキラキラパワーを生かして生徒会長としてご活躍中。
私ももうすぐ入学ですので、これまで以上に殿下と顔を合わせることが増えるでしょう。何故だか体が震えるんですけど……地震かしら?
エリオット様との距離は相変わらず縮まりません。ジェレミーお兄様とは仲良くなさってるのですが、やはり私のことはそもそも視界にすら入っていない様子です。
あの時、湖に落ちた私のことはすぐに見つけてくれたのに、地上にいると見えないみたい。
不思議です。いえ、不可思議です。
少しでも彼の視界に入りたくて、この八年努力してきました。長くツヤのある黒髪を少しカールさせて。トレーニングだって欠かさず体も鍛え、食事にも気をつけてきました。
どこから見ても完璧な悪役令嬢です!
乙女ゲーム『ムーンライト・プリンセス』では、まずは王太子ルートを選ぶのが定番。初心者が脱落しないよう、攻略難易度も低く設定されています。チョロいルートって事です。
今のあの殿下を見る限りチョロい感じは全くしないんだけど、そこはヒロインの魅力でカバーして頂けるものと思います。
私、コレット・リード公爵令嬢の未来も描かれていないくらい情報量が少ないシンプルな王太子ルート。せめて既に分かっているイベントだけは、失敗なきよう進めていかないといけません。
そしてその前提として、ヒロインには必ず王太子ルートを選択して頂かなくては。他のルートを選ばれると、下手したら私すぐにお陀仏ですので。
攻略対象であるその他の四人、
ジョージ・ローリング
アラン・ゴールドウィン
マティアス・ベルラント
エリオット・スペンサー
この方たちとは絶対に出会いイベントが起こらないように、何とか私が立ち回って防ごうと思います。
心配の種は、もちろんレオナルド殿下。殿下は、実際にゲーム通りのことが起こるのかを、ワクワクしながら待っています。冷たい目線とブラックスマイルで、
「そろそろかな。ヒロインが現れるの。楽しみだなあ……」
って呟いてます。ヒロインと結ばれる気満々なのは良いことですが、あの冷たい目線から発せられるビームが怖いのなんのって。
前世で、虫眼鏡で日光を集めた時のことを思い出してしまいます。
途中、殿下は外国に留学していたので、八年間ずっと一緒にいたわけではありません。が、時々王宮に呼び出されては用事を言いつけられ、断れば凄まれ、私は完全にあの男のアンダーコントロール。パシリ令嬢なのでございます。
外面は天使、本性は悪魔。
二年前に先に学園に入学した悪魔……もとい、レオナルド殿下は、お得意のキラキラパワーを生かして生徒会長としてご活躍中。
私ももうすぐ入学ですので、これまで以上に殿下と顔を合わせることが増えるでしょう。何故だか体が震えるんですけど……地震かしら?
エリオット様との距離は相変わらず縮まりません。ジェレミーお兄様とは仲良くなさってるのですが、やはり私のことはそもそも視界にすら入っていない様子です。
あの時、湖に落ちた私のことはすぐに見つけてくれたのに、地上にいると見えないみたい。
不思議です。いえ、不可思議です。
少しでも彼の視界に入りたくて、この八年努力してきました。長くツヤのある黒髪を少しカールさせて。トレーニングだって欠かさず体も鍛え、食事にも気をつけてきました。
どこから見ても完璧な悪役令嬢です!
乙女ゲーム『ムーンライト・プリンセス』では、まずは王太子ルートを選ぶのが定番。初心者が脱落しないよう、攻略難易度も低く設定されています。チョロいルートって事です。
今のあの殿下を見る限りチョロい感じは全くしないんだけど、そこはヒロインの魅力でカバーして頂けるものと思います。
私、コレット・リード公爵令嬢の未来も描かれていないくらい情報量が少ないシンプルな王太子ルート。せめて既に分かっているイベントだけは、失敗なきよう進めていかないといけません。
そしてその前提として、ヒロインには必ず王太子ルートを選択して頂かなくては。他のルートを選ばれると、下手したら私すぐにお陀仏ですので。
攻略対象であるその他の四人、
ジョージ・ローリング
アラン・ゴールドウィン
マティアス・ベルラント
エリオット・スペンサー
この方たちとは絶対に出会いイベントが起こらないように、何とか私が立ち回って防ごうと思います。
心配の種は、もちろんレオナルド殿下。殿下は、実際にゲーム通りのことが起こるのかを、ワクワクしながら待っています。冷たい目線とブラックスマイルで、
「そろそろかな。ヒロインが現れるの。楽しみだなあ……」
って呟いてます。ヒロインと結ばれる気満々なのは良いことですが、あの冷たい目線から発せられるビームが怖いのなんのって。
前世で、虫眼鏡で日光を集めた時のことを思い出してしまいます。