ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
(こんな流れ作業みたいな結婚、レオ様の意味不明なプロポーズと同じく、ロマンのかけらもないわ)
私たちが婚約したのは、レオ様が九歳、私が七歳の時。
四年前に乙女ゲーム『ムーンライト・プリンセス』のヒロインであるメイが登場してから、私たちは色々な出来事を乗り越えて心が通じ合った。ケンカもしたし、今回みたいな変な勘違いから始まるすれ違いもたくさんあったけど、それを全て乗り越えての結婚だもの。
私もついつい勢いで「結婚する!」なんて言ってしまったけれど、本当はちゃんとレオ様がプロポーズしてくれて、私もそれをちゃんと受けて。結婚式までを指折り数えるドキドキ感とか、お世話になった人たちにちゃんと結婚を伝える時間とかを大切にしたかった。
つい先ほどまで国外追放される気満々だったの変よね。でも、私だって側妃の噂を聞くまではずっとそう思っていたのですよ。
「……今日のお前の勘違いを聞いて、もうこれ以上待てなかったんだよ」
「……?」
レオ様は下を向いたまま言います。
「お前は自分のことを悪役令嬢だと思い込んで、ちょっとした事ですぐに自分の幸せを諦めるだろう? 無駄に前向きで、勝手に辛い未来を創り上げて、それを受け入れる。そんな悪役令嬢なんて一秒でも早くやめて欲しいと思ったから」
幸せを諦めてた……? 私が?
確かに、悪役令嬢の未来は悲劇しか待っていませんから。幸せを諦めていたかと言われれば……否定はできません。
「ゲームの世界なんて関係ない。俺が絶対にコレットを幸せにする! コレットがエリオットのことを好きだと言っていた間、俺がどれだけ待ったと思う? 俺とコレットの世界では、コレットは決して悪役令嬢なんかじゃない。初めて会った時から、俺の一番大切な、唯一のヒロインなんだから」
……ちょっと待ってください、私がヒロインですって?
私たちが婚約したのは、レオ様が九歳、私が七歳の時。
四年前に乙女ゲーム『ムーンライト・プリンセス』のヒロインであるメイが登場してから、私たちは色々な出来事を乗り越えて心が通じ合った。ケンカもしたし、今回みたいな変な勘違いから始まるすれ違いもたくさんあったけど、それを全て乗り越えての結婚だもの。
私もついつい勢いで「結婚する!」なんて言ってしまったけれど、本当はちゃんとレオ様がプロポーズしてくれて、私もそれをちゃんと受けて。結婚式までを指折り数えるドキドキ感とか、お世話になった人たちにちゃんと結婚を伝える時間とかを大切にしたかった。
つい先ほどまで国外追放される気満々だったの変よね。でも、私だって側妃の噂を聞くまではずっとそう思っていたのですよ。
「……今日のお前の勘違いを聞いて、もうこれ以上待てなかったんだよ」
「……?」
レオ様は下を向いたまま言います。
「お前は自分のことを悪役令嬢だと思い込んで、ちょっとした事ですぐに自分の幸せを諦めるだろう? 無駄に前向きで、勝手に辛い未来を創り上げて、それを受け入れる。そんな悪役令嬢なんて一秒でも早くやめて欲しいと思ったから」
幸せを諦めてた……? 私が?
確かに、悪役令嬢の未来は悲劇しか待っていませんから。幸せを諦めていたかと言われれば……否定はできません。
「ゲームの世界なんて関係ない。俺が絶対にコレットを幸せにする! コレットがエリオットのことを好きだと言っていた間、俺がどれだけ待ったと思う? 俺とコレットの世界では、コレットは決して悪役令嬢なんかじゃない。初めて会った時から、俺の一番大切な、唯一のヒロインなんだから」
……ちょっと待ってください、私がヒロインですって?