ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
「王太子妃殿下……今回は何の件でございましょう」
「いつも夕食中に申し訳ないわね。少し神殿裏の林をお借りしたいの。一晩でいいから、理由を聞かずに貸して頂けないかしら」
もう、この司祭様はいつ訪ねてもご飯食べてるのよね。あ、私が夕食の時間に合わせて来てるだけかな。
司祭様も早く夕食に戻りたかったのか、二つ返事で貸してくれたし、あとは、アランとメイを待つだけね。
日が暮れて、神殿の裏も暗闇に飲まれていく。アランと大荷物を持ったメイも到着。さあ、私の作戦通りに行くかしら。アランが明かりを持って、その横をメイが荷物を引きずって歩いてる。アラン……荷物持ってあげてよ。
「メイ! リンゼイのところに侍医をお願いしてくれた?」
荷物の重さに息を切らせながら、メイが答えます。
「ポーラが行ってくれたわよ。それにしても、あの手紙は何? 本当にアンタ、丑の刻参りする気?」
「ええそうよ、私はやるわ。ちゃんと私が頼んだもの、持ってきてくれたわよね」
メイはブスっとした顔で、地面に置いてある大荷物を無言で指さしました。
私はアランの方に振り返ります。
「……アラン。最近何か、レオ様が悩んでいる様子はなかった?」
「レオに悩み……?」
「ええ、例えば誰かに弱みを握られてるとか、いつもは会わない相手とよく会っているとか!」
「……アイツ、『コレットが可愛すぎて困る』くらいしかいつも言ってないけど」
「……あぁ、そうなのね……分かった。アラン、私たちの準備が整ったら明かりを付けてアランに向けて合図をするわ。あっちの道で待機して、通りかかった人をこちらに連れてきて頂戴」
アランはよく分からないと言った顔で、神殿の前の通りに向かいます。もう、私が何をしたいのか確認するのにも疲れた様子ね。ごめんね、アラン。
アランが待機するあの道は人通りも多いし、きっと私の丑の刻参りの目撃者を上手く連れてこれるはず。
「いつも夕食中に申し訳ないわね。少し神殿裏の林をお借りしたいの。一晩でいいから、理由を聞かずに貸して頂けないかしら」
もう、この司祭様はいつ訪ねてもご飯食べてるのよね。あ、私が夕食の時間に合わせて来てるだけかな。
司祭様も早く夕食に戻りたかったのか、二つ返事で貸してくれたし、あとは、アランとメイを待つだけね。
日が暮れて、神殿の裏も暗闇に飲まれていく。アランと大荷物を持ったメイも到着。さあ、私の作戦通りに行くかしら。アランが明かりを持って、その横をメイが荷物を引きずって歩いてる。アラン……荷物持ってあげてよ。
「メイ! リンゼイのところに侍医をお願いしてくれた?」
荷物の重さに息を切らせながら、メイが答えます。
「ポーラが行ってくれたわよ。それにしても、あの手紙は何? 本当にアンタ、丑の刻参りする気?」
「ええそうよ、私はやるわ。ちゃんと私が頼んだもの、持ってきてくれたわよね」
メイはブスっとした顔で、地面に置いてある大荷物を無言で指さしました。
私はアランの方に振り返ります。
「……アラン。最近何か、レオ様が悩んでいる様子はなかった?」
「レオに悩み……?」
「ええ、例えば誰かに弱みを握られてるとか、いつもは会わない相手とよく会っているとか!」
「……アイツ、『コレットが可愛すぎて困る』くらいしかいつも言ってないけど」
「……あぁ、そうなのね……分かった。アラン、私たちの準備が整ったら明かりを付けてアランに向けて合図をするわ。あっちの道で待機して、通りかかった人をこちらに連れてきて頂戴」
アランはよく分からないと言った顔で、神殿の前の通りに向かいます。もう、私が何をしたいのか確認するのにも疲れた様子ね。ごめんね、アラン。
アランが待機するあの道は人通りも多いし、きっと私の丑の刻参りの目撃者を上手く連れてこれるはず。