ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
「このリストは……」

 大事なところで口ごもり、私から視線を逸らす。ねえ、早く教えて。こうしている間にも、ルイーズは呪いで苦しんでいるの。
 これ以上レオ様の罪を塗り重ねたくないのよ。


「レオ様、このリストは、なんですか?」
「いや、ただ……婚約者を選ぼうと思って」


 レオ様はあさっての方を向いて、ボソッと呟きました。


 婚約者を……選ぶ?

 ……

 ……誰の?


「俺がコレットと結婚したことで、リード公爵家が力を持ったとか、他の貴族との力のバランスが崩れるとか、そういうしょうもないことを言い始めるやつらがいるんだよ」
「え……ええ……それで?」
「そういうやつらっていうのは、もうエドワードの婚約者の地位を狙ってきてる。面倒だから、早くバランスの良い相手を選んで、婚約者の目星をつけておこうかなって……」
「じゃあこのリストは、エドワード様の婚約者候補のリストっていうことですか?」
「そうだよ。ルイーズの祖父はベルラント公爵だし、うちの母も元を正せばスペンサー家の縁者だから、ルイーズは適任かと思ってるんだけど」


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