ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
俺とメイが密室に二人きりになるわけにはいかないから、コレットの部屋の扉は全開にしておいた。しかしそれが今回は、大失敗だったかもしれない。
小さな物音がして振り返ると、孤児院の慰問から戻ったコレットが俺たちの話を聞いていた。
「……コレット!!」
「もう帰ったの? もしかして私とレオの話聞いてた……?」
扉に縋って立ち尽くしていたコレットの顔が、段々と赤くなり、目には涙が溜まっていく。
まずい。話を聞かれた上に、完全に地雷を踏んだっぽい。
「コレット、ごめん。話を聞かせるつもりはなかったし……その……何も焦ることはない。本当に気にしないでくれ」
なんと言えばいいのか咄嗟に言葉が出てこず、意味のわからない言い訳を口にする俺。
コレットは目から涙がこぼれる前に、くるりと反対を向いて走って逃げ出した。
「待て、コレット!」
コレットが全力で走る。さすが前世でスポーツ好きだっただけあって、逃げ足も速い。でもそっちは階段だ、急いで降りて転倒したらどうする!
階段を降り始めたコレットが、それはそれは当然のようにつまづいたよ。間に合え、俺の手ッ!
必死で手を伸ばし、階段から落ちそうになったコレットを支えた。そして俺は……
コレットの代わりに、頭から派手に階段を滑り落ちた。
小さな物音がして振り返ると、孤児院の慰問から戻ったコレットが俺たちの話を聞いていた。
「……コレット!!」
「もう帰ったの? もしかして私とレオの話聞いてた……?」
扉に縋って立ち尽くしていたコレットの顔が、段々と赤くなり、目には涙が溜まっていく。
まずい。話を聞かれた上に、完全に地雷を踏んだっぽい。
「コレット、ごめん。話を聞かせるつもりはなかったし……その……何も焦ることはない。本当に気にしないでくれ」
なんと言えばいいのか咄嗟に言葉が出てこず、意味のわからない言い訳を口にする俺。
コレットは目から涙がこぼれる前に、くるりと反対を向いて走って逃げ出した。
「待て、コレット!」
コレットが全力で走る。さすが前世でスポーツ好きだっただけあって、逃げ足も速い。でもそっちは階段だ、急いで降りて転倒したらどうする!
階段を降り始めたコレットが、それはそれは当然のようにつまづいたよ。間に合え、俺の手ッ!
必死で手を伸ばし、階段から落ちそうになったコレットを支えた。そして俺は……
コレットの代わりに、頭から派手に階段を滑り落ちた。