ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
入学式も無事に終わり、今日から早速授業開始です。
クラスメイトの間では、選択科目をどれにするかがもっぱらの話題。私は医学系の知識を少しでも学びたいので、生物分野の科目を取ることに決めています。
ちなみにレオナルド殿下は、法律を専攻しているのだそうです。このグランジュール王国には法律があるものの、最終的には国王陛下の決定が何よりも優先されます。殿下も将来国王になる時のために、お勉強をされているのかもしれません。
口も態度も悪いですが、そういうところは真面目で律儀な人なんです。
選択科目の説明資料に目を通していると、後ろから懐かしい声がしました。
「コレット! 久しぶり!」
「……リンゼイ! リンゼイなの?!」
「そうよ! コレット、会えるのは何年ぶりかしら。私も今年入学したのよ。これからクラスメイトになるわ。よろしくね」
リンゼイ・ベルラントは私の幼馴染で、マティアス・ベルラントの妹です。お兄さんとよく似た水色のサラサラストレートヘア。子供の頃から体が弱くて、ここ数年は王都から離れて空気のきれいな田舎で療養していると聞いていました。
「時々咳が止まらなくなったりするのだけど、元気な時は登校するわ。動物セラピーって知ってる? 動物と触れ合うことで心が癒されて、病気が良くなったりすることもあるんですって! だから生物分野を専攻して、もっと動物セラピーのことをお勉強しようと思っているの」
「まあ! 私も生物分野を専攻しようと思っていたのよ。一緒に授業を受けられるわね! なんだかとても嬉しいわ」
元気に話すリンゼイを見ていると、嬉しくて涙が出てきました。悪役令嬢には、取り巻きはいても友人はいませんから、リンゼイは大切な存在なのです。
……よく見たら、取り巻きも一人もいないですね。誰か取り巻いて!
「生物と言えば、マティアスお兄様も生物を専攻しているのよ。テストとか、分からないことがあったら教えてもらえるわ」
「それは安心ね! マティアスはインテリ系貴族だから、賢いに違いないわ!」
思わずインテリ系と言ってしまったけれど、リンゼイがあまり気にしていないから良しとします。それにしても、リンゼイが元気に登校してきてくれて、本当に良かったです。
クラスメイトの間では、選択科目をどれにするかがもっぱらの話題。私は医学系の知識を少しでも学びたいので、生物分野の科目を取ることに決めています。
ちなみにレオナルド殿下は、法律を専攻しているのだそうです。このグランジュール王国には法律があるものの、最終的には国王陛下の決定が何よりも優先されます。殿下も将来国王になる時のために、お勉強をされているのかもしれません。
口も態度も悪いですが、そういうところは真面目で律儀な人なんです。
選択科目の説明資料に目を通していると、後ろから懐かしい声がしました。
「コレット! 久しぶり!」
「……リンゼイ! リンゼイなの?!」
「そうよ! コレット、会えるのは何年ぶりかしら。私も今年入学したのよ。これからクラスメイトになるわ。よろしくね」
リンゼイ・ベルラントは私の幼馴染で、マティアス・ベルラントの妹です。お兄さんとよく似た水色のサラサラストレートヘア。子供の頃から体が弱くて、ここ数年は王都から離れて空気のきれいな田舎で療養していると聞いていました。
「時々咳が止まらなくなったりするのだけど、元気な時は登校するわ。動物セラピーって知ってる? 動物と触れ合うことで心が癒されて、病気が良くなったりすることもあるんですって! だから生物分野を専攻して、もっと動物セラピーのことをお勉強しようと思っているの」
「まあ! 私も生物分野を専攻しようと思っていたのよ。一緒に授業を受けられるわね! なんだかとても嬉しいわ」
元気に話すリンゼイを見ていると、嬉しくて涙が出てきました。悪役令嬢には、取り巻きはいても友人はいませんから、リンゼイは大切な存在なのです。
……よく見たら、取り巻きも一人もいないですね。誰か取り巻いて!
「生物と言えば、マティアスお兄様も生物を専攻しているのよ。テストとか、分からないことがあったら教えてもらえるわ」
「それは安心ね! マティアスはインテリ系貴族だから、賢いに違いないわ!」
思わずインテリ系と言ってしまったけれど、リンゼイがあまり気にしていないから良しとします。それにしても、リンゼイが元気に登校してきてくれて、本当に良かったです。