ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
「コレット様。どう言うおつもりなのかは知りませんけど、あまりレオを困らせないでくださる? 今日も、婚約者の地位を争ったリンゼイ様に嫉妬して水をかけたんですって?」
「……」
「嫉妬に狂って友人に危害を加えるなんて、恥ずかしくないのかしら。レオも困っていると思うわ。だから……」
メイ様が私の目の前まで迫ったその時、後ろで入り口の扉が開くのが聞こえました。私が扉に目をやった瞬間、
(ガシャーン!)
えっ? 何?
メイ様、わざと一人で吹っ飛んでコケましたよ! 近くにあった椅子を倒しながら、派手に床に転がります。
「コレット様! 突然、何をなさるの?!」
「……は? 私は何も」
「いきなり突き飛ばすなんて酷すぎます!」
キャンキャン騒ぐメイ様はさておき、開いた扉から入ってきたのはアランでした。そしてアランの背後には、レオナルド殿下の姿も。
ああ、なるほど。これ、私がメイ様のことを突き飛ばしたように見えますよね。アランが入ってくる瞬間を狙った犯行でしょう。先ほど殿下とお話していたから、殿下とアランがこのあと生徒会室に行く用事があることを、予め耳にしていたんでしょうね。
まんまとハメられましたが、割とノーダメージです。だって私は殿下から、シナリオ通りにメイ様をイジメるように命じられてるんですもの。
アランがつかつかとこちらに歩いてきます。
おっとこの展開。メイ様がアランルートを選択している可能性もありますから、油断できません。アランが逆上して私に手を上げてくるかも……なんて考えすぎでしょうか。
アランはこちらまで来ると、メイ様の方に手を差し出しました。
「大丈夫ですか? 行きましょう」
「アラン、私コレット様に突き飛ばされて……」
涙目のヒロインに対しても特に表情変えることなく、アランはメイ様を起こして連れて行きました。何事もなかったように。
あれがツンデレなの? ツンなの? ツンって言うか……ただの『無』だった気がするけど。
二人が出て行って、気が抜けてしまいました。どっぷり疲れたけど、とりあえずメイ様が散らかした椅子を元に戻しましょう。
まだ入口に殿下が立ってるけど、完全無視しよっと。
「……」
「嫉妬に狂って友人に危害を加えるなんて、恥ずかしくないのかしら。レオも困っていると思うわ。だから……」
メイ様が私の目の前まで迫ったその時、後ろで入り口の扉が開くのが聞こえました。私が扉に目をやった瞬間、
(ガシャーン!)
えっ? 何?
メイ様、わざと一人で吹っ飛んでコケましたよ! 近くにあった椅子を倒しながら、派手に床に転がります。
「コレット様! 突然、何をなさるの?!」
「……は? 私は何も」
「いきなり突き飛ばすなんて酷すぎます!」
キャンキャン騒ぐメイ様はさておき、開いた扉から入ってきたのはアランでした。そしてアランの背後には、レオナルド殿下の姿も。
ああ、なるほど。これ、私がメイ様のことを突き飛ばしたように見えますよね。アランが入ってくる瞬間を狙った犯行でしょう。先ほど殿下とお話していたから、殿下とアランがこのあと生徒会室に行く用事があることを、予め耳にしていたんでしょうね。
まんまとハメられましたが、割とノーダメージです。だって私は殿下から、シナリオ通りにメイ様をイジメるように命じられてるんですもの。
アランがつかつかとこちらに歩いてきます。
おっとこの展開。メイ様がアランルートを選択している可能性もありますから、油断できません。アランが逆上して私に手を上げてくるかも……なんて考えすぎでしょうか。
アランはこちらまで来ると、メイ様の方に手を差し出しました。
「大丈夫ですか? 行きましょう」
「アラン、私コレット様に突き飛ばされて……」
涙目のヒロインに対しても特に表情変えることなく、アランはメイ様を起こして連れて行きました。何事もなかったように。
あれがツンデレなの? ツンなの? ツンって言うか……ただの『無』だった気がするけど。
二人が出て行って、気が抜けてしまいました。どっぷり疲れたけど、とりあえずメイ様が散らかした椅子を元に戻しましょう。
まだ入口に殿下が立ってるけど、完全無視しよっと。