ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
第13話 呪いのドレスと、殿下との仲直り?
『天災は忘れたころにやってくる』
先人の残した言葉は偉大です。今日の私は、この言葉を噛みしめています。まさに、天災は忘れたころにやってくるのです。
……呪いのドレスが届きました。
覚えている方いらっしゃいますか? そろそろ皆様忘れていた頃ですか?
入学前に殿下に連れられて採寸に行った、夜会用のドレスです。金色の刺繍を施し、合わせるアクセサリーはエメラルドグリーン。そう、まさに、レオナルド殿下の髪と瞳の色。これを着ることで、悪魔に……いえ、殿下に一生忠誠を誓う羽目になりませんでしょうか。とても不安です。
今年で十六歳、学園入学の記念すべき年の夜会に。
私コレット・リード、殿下の色に染まった呪いのドレスをまとって参加いたします!
先日エリオット様にフラれ、婚約者であるレオナルド殿下と言い合いをし、私はふと思ったのです。一体私がやりたいことってなんだっけ、と。
一度原点に戻ってみようと思って頭を整理したのです。
ヒロインに、王太子ルートを選択して欲しかったんじゃなかったっけ?
ところがどうでしょう。ここ最近のヒロインの横暴な振る舞いに嫌気がさし、これ見よがしに殿下に近づく彼女の姿に怒りすら覚えていました。これでは本末転倒です。
もう一度確認しましょう。
メイ様には王太子ルートを選んでもらいたい! それが私の望みだったはず! だから、ヒロインと殿下が腕を組んで歩いていようが、レオ様がヒロインと一緒にムーンライトフラワーを見ようが、私には全く関係ないの。だって、二人が結ばれたら万々歳なんですもの。
いくらエリオット様にフラれたからと言って、私の気持ちは変わらないわ。
ドレスの試着を終えて一息ついていると、侍女が入って来て言いました。
「コレットお嬢様、なんと王太子殿下がお見えです」
は……? 王太子殿下が、お見えですって?
先人の残した言葉は偉大です。今日の私は、この言葉を噛みしめています。まさに、天災は忘れたころにやってくるのです。
……呪いのドレスが届きました。
覚えている方いらっしゃいますか? そろそろ皆様忘れていた頃ですか?
入学前に殿下に連れられて採寸に行った、夜会用のドレスです。金色の刺繍を施し、合わせるアクセサリーはエメラルドグリーン。そう、まさに、レオナルド殿下の髪と瞳の色。これを着ることで、悪魔に……いえ、殿下に一生忠誠を誓う羽目になりませんでしょうか。とても不安です。
今年で十六歳、学園入学の記念すべき年の夜会に。
私コレット・リード、殿下の色に染まった呪いのドレスをまとって参加いたします!
先日エリオット様にフラれ、婚約者であるレオナルド殿下と言い合いをし、私はふと思ったのです。一体私がやりたいことってなんだっけ、と。
一度原点に戻ってみようと思って頭を整理したのです。
ヒロインに、王太子ルートを選択して欲しかったんじゃなかったっけ?
ところがどうでしょう。ここ最近のヒロインの横暴な振る舞いに嫌気がさし、これ見よがしに殿下に近づく彼女の姿に怒りすら覚えていました。これでは本末転倒です。
もう一度確認しましょう。
メイ様には王太子ルートを選んでもらいたい! それが私の望みだったはず! だから、ヒロインと殿下が腕を組んで歩いていようが、レオ様がヒロインと一緒にムーンライトフラワーを見ようが、私には全く関係ないの。だって、二人が結ばれたら万々歳なんですもの。
いくらエリオット様にフラれたからと言って、私の気持ちは変わらないわ。
ドレスの試着を終えて一息ついていると、侍女が入って来て言いました。
「コレットお嬢様、なんと王太子殿下がお見えです」
は……? 王太子殿下が、お見えですって?