ヒロインよ、王太子ルートを選べ!
第18話 アランの危機 ※アランside
忽然と王宮から消えたヒロインを追って馬を飛ばす。
ヒロインの攻略対象の全ルート廃止と言う決定をしたのはつい先日の話。その舌の根も乾かぬうちにこれだ。結局、俺のイベントは回避できなかった。
レオは最高級のバカだが、どこか放っておけない。
コレットにフラれてもへこたれない。もしくは、フラれた事に気付いてないほどのバカなのか?
そんなおバカなレオの婚約者が務まるのは、コレットくらいだ。今日は、そのコレットの言う通りに動くのがミッション。
俺は無事に生きて帰れるのだろうか。
▼コレットの指示その一 『馬に乗っていけ』
これは当たり前だな。馬車なんかでちんたら追いかけていたら、いつまで経っても追いつかない。
▼コレットの指示そのニ 『小屋に行く前に滝に寄れ』
馬を飛ばして長距離を移動し、ヒロインがいるであろう領地まで来た。小屋の場所はコレットに地図を書いてもらったから分かるが、その前に滝に行けと言う。
そこにヒロインがいるのか? 確か雨が降って二人で小屋に避難すると言う話だったが、滝の近くまで来ても誰もいない。
さて、次の指示は……
▼コレットの指示その三 『滝の近くに馬をつなげ』
は? ここから歩いて探せと?
しかも、小屋の地図は馬と一緒に置いておくのか。俺を道に迷わせて、話にリアリティを出す気か? 夜会の後に出発して半日以上経つから、もう昼過ぎだろう。天気が悪くて時間が読めないな。暗くなると厄介だ。
▼コレットの指示その四 『小屋の方向に歩いてヒロインと会う』
ああ、この辺りでヒロインを見つけるんだな。
……気が重いな。
「キャーッ!」
……うっわ。分かりやすい悲鳴聞こえてきた。なんで俺、こんな事やってんだろ。
「誰かぁっ! 助けてー!」
はいはい今行きますよー。ほら、簡単にヒロイン発見。なんで叫んだんだ? ん? 野良犬か。
俺はヒロインの前に立って、野良犬を追い払う。振り返ると、目に涙を溜めてブルブル震えているヒロイン。
「……アラン! 怖かった!」
うわぁ……抱きつかれてしまった!
落ち着け落ち着け。
ヒロインはセミで、俺は木だと思おう。セミがくっ付いてるだけだ。
そこに無情にも降ってくる雨。
ああ……このまま俺はセミに樹液を吸われてしまうのか……。
ヒロインの攻略対象の全ルート廃止と言う決定をしたのはつい先日の話。その舌の根も乾かぬうちにこれだ。結局、俺のイベントは回避できなかった。
レオは最高級のバカだが、どこか放っておけない。
コレットにフラれてもへこたれない。もしくは、フラれた事に気付いてないほどのバカなのか?
そんなおバカなレオの婚約者が務まるのは、コレットくらいだ。今日は、そのコレットの言う通りに動くのがミッション。
俺は無事に生きて帰れるのだろうか。
▼コレットの指示その一 『馬に乗っていけ』
これは当たり前だな。馬車なんかでちんたら追いかけていたら、いつまで経っても追いつかない。
▼コレットの指示そのニ 『小屋に行く前に滝に寄れ』
馬を飛ばして長距離を移動し、ヒロインがいるであろう領地まで来た。小屋の場所はコレットに地図を書いてもらったから分かるが、その前に滝に行けと言う。
そこにヒロインがいるのか? 確か雨が降って二人で小屋に避難すると言う話だったが、滝の近くまで来ても誰もいない。
さて、次の指示は……
▼コレットの指示その三 『滝の近くに馬をつなげ』
は? ここから歩いて探せと?
しかも、小屋の地図は馬と一緒に置いておくのか。俺を道に迷わせて、話にリアリティを出す気か? 夜会の後に出発して半日以上経つから、もう昼過ぎだろう。天気が悪くて時間が読めないな。暗くなると厄介だ。
▼コレットの指示その四 『小屋の方向に歩いてヒロインと会う』
ああ、この辺りでヒロインを見つけるんだな。
……気が重いな。
「キャーッ!」
……うっわ。分かりやすい悲鳴聞こえてきた。なんで俺、こんな事やってんだろ。
「誰かぁっ! 助けてー!」
はいはい今行きますよー。ほら、簡単にヒロイン発見。なんで叫んだんだ? ん? 野良犬か。
俺はヒロインの前に立って、野良犬を追い払う。振り返ると、目に涙を溜めてブルブル震えているヒロイン。
「……アラン! 怖かった!」
うわぁ……抱きつかれてしまった!
落ち着け落ち着け。
ヒロインはセミで、俺は木だと思おう。セミがくっ付いてるだけだ。
そこに無情にも降ってくる雨。
ああ……このまま俺はセミに樹液を吸われてしまうのか……。