【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
(ふーーん、これが王族かぁ)


 三十代ぐらいの男性と女性が国王と王妃で、十代の若者が今夜マリアと引き合わせようとしている王太子――――未来の夫(予定)だ。

 王太子については確かに神官様に似てなくもないけど、見た感じ普通……というか、他と比べてさして派手ではない。容姿も普通に美男美女っていうか。そこだけ無駄にキラキラしているかっていうと、そういうわけでもなく。


(どちらかというと、神官様にはじめて会ったときのほうがすごかったなぁ)


 直視に耐えないぐらい神々しいし。胸やけがして、しばらくご飯が食べれなかったぐらいだし。
 まあ、わたしの場合は前世があるから、テレビや雑誌で目が肥えてるっていう事情もあるかもしれないけど。


 高位貴族のものらしい挨拶の列を尻目に、神官様が秘書っぽい人に直接声をかける。


「聖女・マリア様をお連れしました」


 なんといっても今夜の主役はマリア。
 秘書官は心得顔で国王夫妻に耳打ちをした。

 神官様が礼をするのにあわせて、わたしとマリアも事前に教えてもらった通りの礼をする。この体勢、膝がプルプル震えて地味に辛い。わたしに堅苦しいのは性に合わないんだなぁってことを思い知った。


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