【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「顔を上げなさい。君は十六歳の時、生まれたばかりのマリアを保護したと聞いたよ。誰にでもできることじゃない。素晴らしい行いをしたね。おかげで我が国の聖女が守られた」
そう口にしたのは国王だった。
「いえ……」
神殿に連れてったけど、相手にされなかったから面倒見たってだけです――――本当はそう言えたら良いのに、今がそのタイミングじゃないことぐらいはさすがのわたしにも分かる。まあ、経緯はどうあれ結果は言われたとおりだから、別に良いんだけど。
「しかし、噂には聞いていたが、随分と美しいお嬢さんだ。優秀な魔女だと聞いたが」
「いえいえ、そんなことは……」
まずい。あまり長居するとボロが出てしまう。
マリアは王太子と和やかに歓談しているみたいだけど、わたしの場合はそうはいかないんだって。
口悪いし、短気だし。何話して良いかわかんないもん。
上司の自慢話にひたすら相槌を打ちまくってやり過ごす前世の飲み会とは格が違うってことぐらい、わたしにだって分かるんだから。
「陛下、そろそろ。皆様陛下にご挨拶できるのをお待ちですから」
助け舟を出してくれたのは神官様だった。彼はにこやかに微笑みつつ、わたしを一歩下がらせてくれる。
そう口にしたのは国王だった。
「いえ……」
神殿に連れてったけど、相手にされなかったから面倒見たってだけです――――本当はそう言えたら良いのに、今がそのタイミングじゃないことぐらいはさすがのわたしにも分かる。まあ、経緯はどうあれ結果は言われたとおりだから、別に良いんだけど。
「しかし、噂には聞いていたが、随分と美しいお嬢さんだ。優秀な魔女だと聞いたが」
「いえいえ、そんなことは……」
まずい。あまり長居するとボロが出てしまう。
マリアは王太子と和やかに歓談しているみたいだけど、わたしの場合はそうはいかないんだって。
口悪いし、短気だし。何話して良いかわかんないもん。
上司の自慢話にひたすら相槌を打ちまくってやり過ごす前世の飲み会とは格が違うってことぐらい、わたしにだって分かるんだから。
「陛下、そろそろ。皆様陛下にご挨拶できるのをお待ちですから」
助け舟を出してくれたのは神官様だった。彼はにこやかに微笑みつつ、わたしを一歩下がらせてくれる。