【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「――――事前にお伝えしていたとおり、私に似ているでしょう?」


 神官様がおもむろに尋ねてくる。
 彼の言う『似ている』の対象者は、マリアとダンスをしている幼い王太子だ。


(神官様にとっては触れてほしくない話題だと思ってたんだけどな)


 どうやら機会をうかがっていたらしい。

 神官様は国王の異母弟で。
 王太子にとっては叔父で。

 どこか淋しげな表情を浮かべた神官様に、わたしはふっと小さく笑った。


「どこが。貴方のほうが余程――――カッコいいですよ」


 本当はどう答えるのが正解かなんて分からない。

 だって、神官様は王太子と似ていると言われることで『自分が王族の一員だ』って実感したいのかもしれないんだもの。

 それに、今はこうして神官をしているけれど、国や世界が異なれば、神官様は王子として、城で大切に扱われているかもしれないし、本当は本人もそうあることを望んでいるのかもしれないから。

 だけど――――


< 124 / 222 >

この作品をシェア

pagetop