【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「いや、だけど」
「呼んでください」
そんなの関係ない、と言おうとしたところで神官様が言葉を遮る。
なんだろう? いつもの軽薄な感じがない分たちが悪い。直視に耐えない美しさだ。遠目とは言え、大した影響力のない他の王族たちに視線をやりつつ、わたしは小さくため息を吐いた。
「セ――――――」
ただ名前を呼ぶだけ。
そう思っているのに、上手く言葉が出てこない。
喉から胸のあたりがモヤモヤと熱くて、わたしは密かに唇を尖らせた。
「セドリックですよ、ジャンヌ殿」
「そのぐらい、知ってます」
時間が経てば経つほど、ハードルはどんどん上がっていくもの。
分かっている。
分かっているけど、心臓がバクバク鳴ってて、上手く息ができないんだもの。
「ジャンヌ殿――――お願いです。どうか私にも、『私は私』だと思わせてください」
それは、あまりにも切実な声音だった。
神官様の表情が、言葉が、彼の苦しみを物語っている。
「呼んでください」
そんなの関係ない、と言おうとしたところで神官様が言葉を遮る。
なんだろう? いつもの軽薄な感じがない分たちが悪い。直視に耐えない美しさだ。遠目とは言え、大した影響力のない他の王族たちに視線をやりつつ、わたしは小さくため息を吐いた。
「セ――――――」
ただ名前を呼ぶだけ。
そう思っているのに、上手く言葉が出てこない。
喉から胸のあたりがモヤモヤと熱くて、わたしは密かに唇を尖らせた。
「セドリックですよ、ジャンヌ殿」
「そのぐらい、知ってます」
時間が経てば経つほど、ハードルはどんどん上がっていくもの。
分かっている。
分かっているけど、心臓がバクバク鳴ってて、上手く息ができないんだもの。
「ジャンヌ殿――――お願いです。どうか私にも、『私は私』だと思わせてください」
それは、あまりにも切実な声音だった。
神官様の表情が、言葉が、彼の苦しみを物語っている。