【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「上手ですね。どこかで練習してきたんですか?」
神官様が尋ねてくる。
気恥ずかしさのあまり、頬に熱が集まった。
「まさか。わたしが踊れるのはラジオ体操とかマイムマイムとか、そんぐらいですよ」
「ラジオ体操?」
「ええ。これが踊れないと、大人になれないってぐらい必須のダンスです。健康に良いらしいんで、今度教えてあげますよ」
しっとりとした雰囲気が嫌で、チャラけた話題を必死に振る。
だって、神官様が足を曲げ伸ばししてるところとか想像すると、笑えてくるもの。このぐらいの空気感がわたし達には丁度いい。ロマンティックなムードなんてお断りだ。
「それは楽しみです。……私はもっと貴女のことが知りたいですから」
しかし、神官様は手強かった。わたしが作ろうとした空気感を無視し、熱い眼差しを向けてくる。
(どうしよう……)
縋るような眼差し。
ゴクリと息を呑み、視線をそっとそらす。
逃げたい。
だけど逃げられない。
わたしはもう、神官様が苦しみを抱えていることを知っているから。
「少し、話をしませんか? ジャンヌ殿に聞いていただきたいことがあるんです」
耳元でそんなふうに囁かれ、ビクッと身体が震える。
けれど、神官様はいつものようなフザけた表情じゃない。至極真剣な顔つきをしている。
気がついたら、神官様が導くままに、わたしは夜会会場を後にしていた。
神官様が尋ねてくる。
気恥ずかしさのあまり、頬に熱が集まった。
「まさか。わたしが踊れるのはラジオ体操とかマイムマイムとか、そんぐらいですよ」
「ラジオ体操?」
「ええ。これが踊れないと、大人になれないってぐらい必須のダンスです。健康に良いらしいんで、今度教えてあげますよ」
しっとりとした雰囲気が嫌で、チャラけた話題を必死に振る。
だって、神官様が足を曲げ伸ばししてるところとか想像すると、笑えてくるもの。このぐらいの空気感がわたし達には丁度いい。ロマンティックなムードなんてお断りだ。
「それは楽しみです。……私はもっと貴女のことが知りたいですから」
しかし、神官様は手強かった。わたしが作ろうとした空気感を無視し、熱い眼差しを向けてくる。
(どうしよう……)
縋るような眼差し。
ゴクリと息を呑み、視線をそっとそらす。
逃げたい。
だけど逃げられない。
わたしはもう、神官様が苦しみを抱えていることを知っているから。
「少し、話をしませんか? ジャンヌ殿に聞いていただきたいことがあるんです」
耳元でそんなふうに囁かれ、ビクッと身体が震える。
けれど、神官様はいつものようなフザけた表情じゃない。至極真剣な顔つきをしている。
気がついたら、神官様が導くままに、わたしは夜会会場を後にしていた。