【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
(っていうか、食事!)


 よく考えたら、今この家に食料はなにも置いてない。腐ったらいけないからって、神殿に全部持っていってしまったのだった。

 いや、別に数食ぐらい抜いても構わないんだけど、問題が一つ。

 わたしは昨日、マリア一緒にとカレーを作るっていう約束をしていたんだった。


(どうしよう……)


 今から神殿に帰るべきか――――一応検討してみたけど、それは無理だ。今から帰ったところで、神官様とまともに話せる気がしない。自信が全くない。


(いや、乙女か。恥ずっ)


 二十二歳のいい年した大人が、馬鹿みたいだって分かってる。このぐらいのことで相手を避けるなよって。ガキかよって。

 だから、全然平気なふりをして、何もなかった顔をして、いつもどおりに憎まれ口を叩けばそれで良い。
 そうすれば昨日までと変わらない関係を築いていける。

 分かっている。
 分かってはいる。


 だけど、どう考えたってわたしには無理だ。
 何もなかったふりなんて、できない。
 できっこない。


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