【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「なっ……え?」

「ようやく扉を開けてくれましたね」


 神官様が耳元で笑う。わたしは目頭が熱くなった。


「何してるんですか、貴方」

「何って……先ほど宣言したとおり、ジャンヌを抱きしめているんですよ」


 腕に力を込めながら、神官様が首を傾げる。さも当然といった口ぶりだ。


「だけど……だけど! さっき『信じなくてもいい』って言ったじゃないですか!」


 それはつまり、わたしを諦めたということで。
 過去の恋愛を引きずって、人間不信から抜け出せないわたしに呆れたっていうことでしょう? 違うの?


「ええ、先ほど申し上げた通り、ジャンヌは私を信じなくてもいいですよ。
その代わりに、私は私自身を信じます。それから、二人でゆっくりと事実を積み重ねていきましょう」

「え?」


 事実を積み重ねていく? 一体、どういう意味だろう?
 困惑したわたしを見つめ、神官様は優しく目を細めた。


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