【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
【終章】断食魔女と、肉食神官と、それから聖女
30.父親がやってきました。子供扱いされました。
セドリックと一緒に神殿に戻り、マリアとカレーライスを作って食べた翌日のこと。
朝の参拝客受け入れの時間に事件は起こった。
「ジャンヌちゃん!」
参拝者たちの最前列で声を張り上げる一人の壮年男性の姿に、わたしは目眩を起こしかけた。
上品になでつけられた金の髪に、鮮やかな緑の瞳。上等な黒の外套を纏った、紳士然とした男性だ。
性別は違えども、目鼻立ちがわたしとシャーリーにそっくりよく似ている。
それもその筈。
彼は現世のわたしの父親、ブルックリン伯爵だ。
「……シャーリーに見つかった時点で、来るだろうなぁとは思っていたけど」
まさかこんなに早いとは。
父は今にも泣き出しそうな表情でわたしの手を握ると、ああ、と大きくため息を吐いた。
「当然だよ! 愛娘がいつの間にか王都に越していたことを、ずっと知らずにいたんだからね。実は、昨日もここに来たんだが、ジャンヌちゃんは休みだと言われて会えなかったんだ」
「え、昨日も来てたの?」
相変わらず、貴族の割にフットワークが軽い。半ば感心、半ば呆れながら、わたしは目を丸くした。
朝の参拝客受け入れの時間に事件は起こった。
「ジャンヌちゃん!」
参拝者たちの最前列で声を張り上げる一人の壮年男性の姿に、わたしは目眩を起こしかけた。
上品になでつけられた金の髪に、鮮やかな緑の瞳。上等な黒の外套を纏った、紳士然とした男性だ。
性別は違えども、目鼻立ちがわたしとシャーリーにそっくりよく似ている。
それもその筈。
彼は現世のわたしの父親、ブルックリン伯爵だ。
「……シャーリーに見つかった時点で、来るだろうなぁとは思っていたけど」
まさかこんなに早いとは。
父は今にも泣き出しそうな表情でわたしの手を握ると、ああ、と大きくため息を吐いた。
「当然だよ! 愛娘がいつの間にか王都に越していたことを、ずっと知らずにいたんだからね。実は、昨日もここに来たんだが、ジャンヌちゃんは休みだと言われて会えなかったんだ」
「え、昨日も来てたの?」
相変わらず、貴族の割にフットワークが軽い。半ば感心、半ば呆れながら、わたしは目を丸くした。