【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「ほらほらお父さん、お祈りは一人五分まで。大体、お父さんにはお祈りしたいことなんてないんでしょう? 事業も領地経営も順調だって聞いてるし。早く次の人に代わってあげてよ」

「五分!? そんな殺生な! せっかくジャンヌちゃんに会えたのに! 神殿で暮らすようになった経緯とか、今の暮らしぶりとか、色々と聞きたいんだよ、私は。
もしかして、お金に困っているのかい? それとも、あの家に何かあったのかい? 一体全体、どうして神殿に? 何かとんでもないことが君たちに起こったんじゃ……」

「違う違う、そうじゃなくって! マリアが聖女に選ばれたんだよ」


 妄想が爆発している父を宥めつつ、わたしは小さく息を吐いた。


 当然ながら、父はマリアのことを知っている。
 わたしが彼女を拾った当初は、それはそれは心配し『マリアとともに伯爵家で生活すべきだ』と主張していたほどだ。

 もちろん、シャーリーは間違いなく反対するし、伯爵夫人も良い気はしないだろうし、わたし自身絶対に嫌だったから、丁重にお断りしたけど。


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