【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
 少なくともわたしは、どうしたら今より良くなるかを知っている。
 どんなものができたら望ましいかを知っている。


 歴史っていうのは繰り返すもの。たとえ国が違っても、似たようなことが何度も起きる。つまりきっと、異世界でも同じであるに違いない。

 わたしは一応二千年分の歴史を学んでいるし、既にできあがった制度の恩恵をたっぷり受けて生きてきたんだもの。どんな制度が失敗して、どんな制度が上手くいったか、ある程度は把握している。


 それを伝えていくぐらいのことはできるんじゃなかろうか。
 それは、前世を持つわたしだからこそ、できることなんじゃないか。

 マリアのためにわたしにできる、唯一のことなんじゃないだろうか。


「こら、一人で抱え込んだらダメだと言ったでしょう?」


 セドリックが苦笑をしながら、わたしの肩をぽんと叩く。


「――――ねえ、セドリック。城を見せてもらうことってできる?」

「ええ、もちろん」



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