【WEBTOON】断食魔女と肉食神官~拾った子供が聖女に選ばれた魔女のお話~【コミカライズ】
「ジャンヌ。
私は貴女とマリア様を、本当の母娘だと思っています」
セドリックが言う。その途端、目頭がぐっと熱くなった。
「貴女がマリア様と一線を引いて接していたのは知っています。けれどそれは、貴女自身が――――何よりマリア様が、不要に傷つかないようにという想いからでしょう?」
「……うん」
いつかわたしは、マリアを手放す日が来るって――――手放したほうが良いって思っていた。ずぼらなわたしじゃなく、生活面も収入面でもきちんとしている人が現れて、マリアをしっかりと育ててもらったほうが良いだろうって。
だって、マリアはわたしとは違う。特別な子供だから。素直で可愛い、心優しい子だから。
だからきっと、神様がマリアのために素敵な人を――――未来を用意してくれるだろう――――そんな確信があった。
だからこそ、絶対に深入りしちゃいけないって思っていた。
マリアにとってわたしは同居人以外のなにものでもない。笑顔でさよならができる存在でなければいけないって。
だけどわたしはあの子のことを――――マリアのことをずっと、自分の娘だと思っていた。
大切で、可愛くて、誰よりも幸せになってほしいって思っていた。
「大丈夫ですよ。今回のことは、私達大人だけの胸にとどめておきましょう。それが一番、幸せだと思います」
「……うん。そうだね」
浮かない顔をしたわたしを、セドリックがギュッと抱き締める。
不安を胸に抱きつつ、わたしはなんとか自分を納得させたのだった。
私は貴女とマリア様を、本当の母娘だと思っています」
セドリックが言う。その途端、目頭がぐっと熱くなった。
「貴女がマリア様と一線を引いて接していたのは知っています。けれどそれは、貴女自身が――――何よりマリア様が、不要に傷つかないようにという想いからでしょう?」
「……うん」
いつかわたしは、マリアを手放す日が来るって――――手放したほうが良いって思っていた。ずぼらなわたしじゃなく、生活面も収入面でもきちんとしている人が現れて、マリアをしっかりと育ててもらったほうが良いだろうって。
だって、マリアはわたしとは違う。特別な子供だから。素直で可愛い、心優しい子だから。
だからきっと、神様がマリアのために素敵な人を――――未来を用意してくれるだろう――――そんな確信があった。
だからこそ、絶対に深入りしちゃいけないって思っていた。
マリアにとってわたしは同居人以外のなにものでもない。笑顔でさよならができる存在でなければいけないって。
だけどわたしはあの子のことを――――マリアのことをずっと、自分の娘だと思っていた。
大切で、可愛くて、誰よりも幸せになってほしいって思っていた。
「大丈夫ですよ。今回のことは、私達大人だけの胸にとどめておきましょう。それが一番、幸せだと思います」
「……うん。そうだね」
浮かない顔をしたわたしを、セドリックがギュッと抱き締める。
不安を胸に抱きつつ、わたしはなんとか自分を納得させたのだった。